ベルグカッセ兄さんとの闘いから早2日。
ここリクセンベロル共和国は愛と水銀に包まれ早5年。
決して隠し持っていたわけではなくただ柔らかき起重機と袂を分かつことに成功して早3ヶ月。
兄と姉との境目をただじっと見極めるだけの仕事に就いてもう1年。
この身を呈してでも先に裏返るべきであった常夏の儚さに似たこのロンリネスとももう3年。
最後に見たあの泥柿の香る真夜中とも別れを告げて早10日。
今年の秋ももう梅そぞろと宣うかがり火にそっと身を寄せ合ったあの頃からもう12年。
両の足と両の眉にさざめく裏本帽の体裁に心躍らせ早11ヶ月。
町と血と漁の仇に味の側から寄り纏う新たなカテゴリーへ最後の毛筆を静かに重ねて早5年。
山茶花の舞姫と両仙北の花魁の立ち居振る舞いから滴る羽の模様を背景に備えてもう8年。
落雷で捻れた7F広場の心のシナプスを酔いどれの反芻とガラス片で断ち切って早14年。
明らかなポートランドを性懲りもなく測量するあのえびす顔と再開の約束を交わして早20年。
どこへ行ったあの老獪、どこへ向かうこの狡猾、今年の冬も雪はなし、部長クラスの締め口上がただ漂う。
よいお年を。
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